◇ ポリウレタン製品 ◇
☆ ポリウレタンは、ゴムのように伸びて元に戻る繊維ですが、
ゴムより強いため細い糸が出来、また染める事も出来ます。
さらにゴムより老化しにくい特徴があります。
しかし、通常の繊維に比べて弱すぎるため、ポリウレタンのみで
衣類に利用される事は無く、他の繊維と混ぜて使用します。
ポリウレタンを伸ばした状態で芯にして他の繊維で周りを被覆した糸が
織物や編物に用いられています。伸縮性は落ちますが、
強い糸になるので、用途に合わせて利用されています。
身近な物では、台所で使うスポンジタワシが ポリウレタン樹脂100%です。
スポンジタワシは3カ月もすると、徐々に脆くなりボロボロになってしまいます。
これは加水分解という性質があるためで湿気を吸い込んで樹脂を分解してしまうからです。
ポリウレタン樹脂の加水分解による劣化には、
水分(汗・湿気)、日光(紫外線)、摩擦、酸素、NOx、皮脂、化粧品の油脂成分などの
影響が大きいとされています。
表面の変色、粘着(べたつき)、ひび割れ、剥離(ぶくつき)などが
顕著化すると、寿命と考えられます。
ポリオール(化合物) | |||
ポリエステル | ポリエーテル | ポリカーボネート | |
耐加水分解性 | △_× | ◎ | ◎ |
耐熱性 | 〇 | × | 〇 |
耐カビ性 | △_× | ◎ | ◎ |
耐油性 | 〇 | △ | 〇 |
耐寒性 | 〇 | ◎ | 〇_△ |
コスト | 〇 | △ | × |
☆ ポリウレタン樹脂を、耐久別に分類しますと、
ポリエステル型ポリウレタン樹脂を用いた一般素材としての
靴、カバン、袋物の場合には1〜2年程度、
ポリエーテル型ポリウレタン樹脂を用いた中耐久素材としての
衣料、靴、スポーツシューズ、鞄などの場合は3〜5年程度、
ポリカーボネート型ポリウレタン樹脂を
用いた高耐久素材としての車両用シート、家具、寝具などの場合は10年程度です。
あくまで、製造されてからの年数ですので、お間違いの無いようにお願い致します。